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OSO24項目、“証明できる体制”がSORAの本質です

はじめに〜SORAに感じるハードルと現場の本音

SORA(Specific Operations Risk Assessment)という言葉に、つい身構えてしまう…そんな方は少なくないと思います。
「リスク評価ってなんだか難しそう」「うちは小規模だし本当に必要なの?」
はじめて「SORA」が海外で発表されたとき、自分でもものすごく不安を感じたのを覚えています。
「いよいよ世界は“定量的なリスク評価”の時代か、これに本当に付いていけるのか?」と、正直心配もありました。

さらに、その後日本国内で突如「リスク評価ガイドライン」が発表され、しかもそれが福島RTF(ロボット・テスト・フィールド)から出てきたと知ったときは、「現場の感覚と本当に合うのか?」「現実に使えるものになるのか?」と、若干の反発や戸惑いも覚えました。

リスク判定よりも「証明できる体制」が大事な理由

SORAを運用しようとすると、どうしても「リスクスコア」や「評価の点数」に目が行きがちです。
実際、「なるべくリスクを低く出したい」「判定が厳しくならないように…」と考えるのはごく自然なことです。

でも、本当に大事なのはスコアではありません。
SORAはリスク判定の結果に基づいて、24のOSO(Operational Safety Objectives)について「必須」「任意」などの対応が決まります。
本質は、そのOSO24項目に「ちゃんと対応できているかどうか」、そして「それを証明できる体制があるかどうか」です。

※OSO24項目の具体的な内容が気になる方は、公式資料や各種ガイドラインをご参照ください。

「やってるつもり」が通用しない現実

「うちは教育訓練も点検もちゃんとやってる」「現場の安全意識は高い」
そう自信を持って言える方も多いと思います。
でも、実際にSORAのOSO24項目を突きつけられたとき、「あれ、この内容はどの書類や記録で証明できるだろう?」と詰まる場面が本当に多い。

  • 教育訓練はしているけど記録が残っていない
  • 緊急時対応の手順が現場任せで文書化されていない
  • 点検記録は頭の中、あるいは口頭だけで伝えている

こうした「やっているつもり」「分かっているつもり」では、残念ながらSORAの審査では通用しません。

苦労しながら「証明できる体制」にたどり着くまで

「このままではいけない」と痛感し、SORA準拠の審査が必要なフライト予定はないものの、世界基準には適合させたいと考え、私たちも地道に体制づくりを続けてきました。
OSO24項目を一つ一つ棚卸しして、「この項目はどの規程・どのマニュアル・どの記録で証明できるのか?」を洗い出しました。

最初は正直、面倒に思うこともありましたし、「本当にここまで求められるのか?」と疑問に感じることもありました。
ですが、証明できる体制を一つずつ作り上げていく中で、「自分たちのドローン運航は世界が目指す安全の方向性に沿っている」という確信が、少しずつ持てるようになりました。これが何よりの収穫でした。

便利ツールを作った今も、本質はやはり「証明」

実は、ごく最近「【β版】SORA2.5 評価フォーム」も自社で作ってみました。
(リリースしたばかりで現在は期間限定で無料公開中なので、よければぜひお試しください)

「これで現場の悩みが少しでも減れば…」という思いも本音です。
でも、ツールで判定結果が出ても、その中身をどう証明するかは結局“現場の体制”にかかっています。
「そのOSOは本当に記録で証明できるの?」「現場で誰がどの手順でやっているの?」
ここを押さえていないと、どんな便利ツールも“本質”にはなりません。

便利なフォームやツールは「きっかけ」にすぎません。“証明できる”現場の仕組みづくりそのものを一緒に考えていく。これこそが、自分のそして当社の役割だと考えています。

同じ悩みを持つ方へ〜共に進むパートナーとして

この記事を読んで「うちも証明できる体制に自信がない」「何を記録に残せばいいか分からない」…
そんな気持ちになった方もいるかもしれません。
私自身、最初はみなさんと同じように悩みました。でも、私は自分でできていないことは、人にも教えません。
壁にぶつかりながら現場で考え、なんとか一歩ずつ形にしてきた経験が、今では現場支援やコンサルの仕事にも活きています。

「何から始めたらいいか分からない」「客観的に運航体制を見直したい」そんな悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。一緒に“証明できる安全”を作るために、現場目線で伴走します。

まとめ〜「証明できる安全」が現場の安心につながる

SORAで本当に問われているのは、「評価点」や「表面的な書類作り」ではありません。
「OSO24項目について、どこを突かれても自信を持って説明できる」そんな体制を作ることが、現場の安心・安全に直結します。

証明できる体制を作りたい、今のやり方を整理したい、そんな方は、どうぞ気軽にご相談ください。
最初の一歩から、同じ目線でサポートいたします。

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