先週土曜日、元デルタ航空や大手ホテルチェーンで要職を歴任された Victor Osumi 様の講演を拝聴する機会に恵まれました。
航空業界やホテル業界といった、まさに「ホスピタリティの最前線」を歩んでこられた方のお話は、私の仕事に対する信条や日頃取り組んでいる安全マネジメントの重要性を、改めて深く考え直させてくれるものでした。
今回の講演で特に心に刺さった言葉、それは「Service is not what you do, but what you are(サービスとは何をするかではなく、どう在るかだ)」です。
今回はこの言葉を中心に、私が大切にしている「仕事の流儀」と「安全」について書いてみたいと思います。
1. 平時の「+α」と、有事の「人間力」
講演の中で、印象的なエピソードがありました。ハワイのカウアイ島で台風が直撃した際や、9.11、そしてコロナ禍といった「非常時」にこそ、サービスの真価、つまり「誰のために、なぜそれをするのか」が問われるというお話です。
これは、私の仕事の信条である「仕事はただこなすのではなく、+αの提供を行うことで期待値を上回り、感動を得る」という点に通じるかなと勝手に思ったりしました。 マニュアル通りの業務(What you do)は、AIや機械・ロボットでも代替できる時代が来るかもしれません。しかし、相手のニーズを察し、そこに誠実さを込める「在り方(What you are)」 は、人間にしかできない付加価値だと信じています。
2. 安全マネジメントは「最大の思いやり」
また、「非常時への備え」という観点は、私が業務で最も重視している安全マネジメントと密接にリンクしました。私は常々、以下のスキルや手法を積極的に扱うべきだと考えています。
• TEM(Threat and Error Management)やSORA2.5: リスクを先読みし管理する
• CRM(Crew Resource Management)やSMS(Safety Management System): 事故を未然に防ぐチーム作り
• 応急手当スキル: 万が一事故が起きてしまっても、迅速的確に対応する
これらは単なる「厳しいルール」や「手続き」に関する話ではありません。大隅様が「Invisible ROI of gratitude(目に見えない感謝の投資)」 と表現されたように、これらもまた、目には見えにくいですが、確実な「投資」だと私は考えています。
事故を未然に防ぐこと、そして何かあった時に仲間や顧客を守れる準備をしておくこと。 これは自分自身のためであり、チームメンバー、企業、取引先、そして近隣住民のためでもあります。つまり、安全マネジメントとは、関わるすべての人への「思いやり」そのものだと私は考えています。
3. 「個」を責めず、「背景」を尊重する
講演では、M&Aの際、異なる文化を持つ相手に対して「ロジックだけではなく、相手の歴史に敬意を払うこと」が重要だと語られていました。数字や論理だけで相手を断罪しては、組織はまとまりません。
これは、私の業務上のポリシーである「なにか問題が起きても『個人』の責任にしない」という点と強く共鳴しました。エラーが起きた際、個人を責めても再発防止にはなりません。その背景にあるシステムや状態・状況に目を向け、敬意を持って改善策を探ること。それが、真に強いチーム(組織)を作る道だと再確認しました。
結びに
「困ったときはお互い様」。 私の根底にあるこのシンプルな信条は、今回の講演を通じて、グローバルなビジネスの最前線でも通用する普遍的な真理なのかもしれないと、大変勇気づけられました。
「Service is not what you do, but what you are.」
安全を守ることも、感動を提供するサービスの提供も、結局は「相手を想う心」という一つの根幹から繋がっています。 これからも、技術(Doing)を磨くだけでなく、プロフェッショナルとしての在り方(Being)を大切に、業務に邁進していきたいと思います。

戸出 智祐(代表取締役 / ドローン安全管理コンサルタント)
ノンテクニカルスキル講習(CRM、チームビルディング、 日本初のドローン応急手当講習)を提供。米国FAAのSMS義務化に先行したノウハウで、 1,000時間超の運航経験(失敗含む)からSMSを構築。 2023年より3年連続で安全報告書を自主公開している、日本唯一の現場安全管理・リスクマネジメント実践者です。 このブログでは、教科書に載っていない 現場の実践知と失敗から学んだ教訓を共有します。
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