SMSやSORA2.5は、枠組みとして本当によく出来ています。ただ、ドローン産業界では現場まで届き切っていない場面がまだ多い。私はここがいま一番もったいない点だと感じています。
私の見立てはこうです。問題は枠組みの優劣ではなく、運航の現場で使える手順に変換されず、運航判断が変わらないまま終わってしまうことにあります。
先に結論
発注側の要求不足と、運航側の理解不足が重なって、SMSやSORA2.5が途中で止まりやすくなっています。
このギャップを現場の手順まで落として埋める役割が必要で、株式会社ダイヤサービスはその役割を担う条件が揃っていると考えています。
なぜ止まるのか
(1) 発注側のギャップ
自治体や企業の発注仕様書を見ていると、安全要求が薄いケースが目立ちます。
発注側が手を抜いているというより、何を求めればよいか分からない。安全を入れたい気持ちはあっても、要求の書き方が分からない。ここで止まります。
(2) 運航側のギャップ
一方で運航事業者側は、SMSやSORA2.5をまだまだ知らなさすぎる。
知らないので噛み砕けない。噛み砕けないので自社の手順や教育に落ちない。落ちないので、結局いつもの運航に戻る。残念ながら、これが現実として起きています。
この2つが重なると、発注側は要求を強くできず、運航側も具体化できず、安全の議論が現場の意思決定に活かせないままになってしまいます。
なぜ現場に落としにくいのか
理由は大きく3つだと考えています。
- 用語が現場の言葉と距離がある
- 説明責任のための文書と、現場が迷わない手順が分離しがち
- 手間が増える不安や面倒が勝ってしまう
ここで大事なのは、紙や資料を増やすことではありません。適合を示せる運用と証跡に変えることです。
橋渡し役が必要で、それを当社が担える理由
ここで必要なのは単なる言い換えではありません。
制度の言葉を、運航判断に直結する手順と記録へ変換する。さらに、その手順と記録を、発注側が納得できる説明責任の形へ戻す。これを往復でやり切ることです。
そして、この往復を実務としてやり切れる組織は、まだ多くありません。だからこそ、当社が担う意味があると考えています。
理由① 運航の当事者として、判断が重い瞬間を知っている
机上の理屈ではなく、どこで判断を迷うのか、どの情報が欠けると止まるのか、逸脱時に何が必要か。
運航を実際にやっているから、判断の現実を具体の言葉にできます。
理由② 枠組みを運用の仕組みに入れて、日々の運航で使っている
当社はDS-FOMSを用い、運航ごとにConOpsを作成し、TEM分析やSORA2.5の評価要素、OSOの観点、承認ステータスまで一体で管理しています。
これは理念でも理想でもなく、日常の運航で使っている仕組みです。投稿にConOps画面を添付できるなら、そこが一番伝わると思います。
理由③ 発注側の要求不足と、運航側の理解不足の両方に手が届く
発注側が書けないなら、書ける形にして渡す。
運航側が分からないなら、分かる言葉と作業手順にして渡す。
どちらか片方だけでは、結局どこかで止まります。両側を見ながら、同じ粒度でつなぐことが必要です。
皆さまへ
前述の通り、せっかく素晴らしいフレームワークがあっても、上記理由から現場へ落とすところで止まってしまいがちです。ここに悩みが集まりやすいのは自然だと思います。もし、次のどれかに心当たりがあれば、コメントかDMで声をかけてください。
- 発注仕様書に安全要求を入れたいが、何を書けばよいか分からない
- SMSやSORA2.5を社内に入れたいが、噛み砕けない
- 現場の負担を増やさずに、説明責任を果たせる証跡を残したい

戸出 智祐(株式会社ダイヤサービス 代表/“ドローン安全ヘンタイ”)
ドローン運航安全の分野で10年以上の経験を持つ、安全管理・教育の専門家。全国の自治体や企業など10社以上に対して、航空業界レベルの安全運航体制づくりや研修、コンサルティングを行ってきました。
操縦技量だけでなく、チームや組織の“ノンテクニカルスキル”を重視し、現場で本当に役立つ安全文化を普及することに情熱を注いでいます。自ら現場で危険な経験をしたことが原点で、「誰もが安心して働ける現場」を本気で目指して活動中。
千葉市花見川区を拠点に、現場目線でリアルな課題解決にこだわり続けています。無類の車好き。ブログでは、同じ現場型の読者の方と想いを共有できればと考えています。