「エアマンシップ(Airmanship)」という言葉を聞いたことはありますか?
これはもともと航空機のパイロットに使われる言葉で、空を使う者としての姿勢や態度、判断力や責任感のすべてを含む、プロフェッショナルの証とも言える概念です。
最近ではドローンの普及に伴い、無人航空機を扱う運航者にとってもエアマンシップは欠かせない資質となりつつあります。
「操縦がうまければいい」という時代は終わりました。安全を守るには、“技術以外の力”が問われています。
✈️ エアマンシップとは、「空を扱う人間のふるまい」
海外の有人機のパイロット教育では、エアマンシップを以下のように定義しています。
A measure of a pilot’s awareness of the aircraft, the flight environment, her/his own capabilities, behavioral characteristics, and combined with good judgment, wise decision-making, attention to detail, and a high sense of self-discipline.
つまり、
- 機体や環境、自分の限界を理解し、
- 状況を正しく判断し、
- 規律ある行動を日々積み重ねること。
これがエアマンシップです。
これをドローン運航に落とし込むと、以下の9つの資質に整理できます。
✅ ドローン運航者が持つべき「エアマンシップの9要素」
- 機体に対する理解
- 飛行環境の認識
- 自分自身の限界把握
- 行動特性と人間性
- 操縦スキルと操作精度
- 良識と常識
- 賢明な意思決定力
- 細部へのこだわり
- 高い自己規律
📝 あなたはできている?18問のチェックリスト
それぞれの資質について、「できているつもり」ではなく「実際に行動できているか?」を確かめる18の問いを用意しました。
一部を紹介します。
- 飛行できなくはない状況でも、「少しでも不安があれば中止」を選んだことがあるか?
- 操縦がうまくても、周囲の状況や自分の集中力の変化に気づけているか?
- 「誰も見ていないからいいや」と思ったことは一度もないか?
- ヒヤリハットをちゃんと共有し、次の飛行に活かしているか?
🚧 技量よりも、姿勢と判断の時代へ
エアマンシップは特別な資格ではありません。
「その判断、本当に正しかったか?」と日々問い続ける力こそが、エアマンシップの本質です。
あなたの行動は、空を扱う者として誇れるものですか?
私たち自身も、今一度、問い直してみましょう。