運航プロセス
ドローン運航で大切なのは、各フェーズごとに安全対策をしっかり行うことです。当社では、航空分野の運用手順をモデルにしながら、以下のようなプロセスを確立しています。
飛行前
資機材点検・各種テレメトリーの確認・飛行計画の最終チェック
チーム全員でブリーフィングを行い、リスク箇所と緊急時の連絡体制を再確認
飛行中
運航管理者が気象や周囲環境を常時モニタリング
異常を察知した場合は「行動指針」に従い、ただちに飛行を中断・着陸などの判断を行う
飛行後
飛行ログや映像データの収集・分析
安全上の問題がなかったかを振り返り、ヒヤリハット報告を実施
必要に応じてオペレーションマニュアルや点検要領を修正
疲労管理基準の適用
ドローン運航は「パイロットが遠隔で操作しているだけ」という印象を受けるかもしれませんが、実際は高度な判断を連続して行う必要があり、疲労による集中力・判断力の低下は重大事故の原因となり得ます。
「疲労管理基準」の制定は、ドローン運航の安全性と社会的信頼を確保するために不可欠な要素であり、業界の健全な発展にも寄与するのです。
基準項目 | 定義 | 基準時間 |
飛行勤務時間 (Flight Duty Period, FDP) | 業務を開始(通常、ブリーフィング時刻)してから、業務が終了するまでの時間のこと | 8時間 (夜間飛行を含む場合は6時間) |
連続飛行時間 | Before take-off(離陸直前)フェーズから、次回以降のビフォーテイクオフ フェーズ前までの時間のこと | 1.5時間ごとに10分の休憩 |
必要な休養時間 | 業務終了後から次の飛行勤務までに必要な休養時間のこと | 10時間 |
ステイラルオペレーションルールの適用
ベースはステライルコックピットルール (Sterile Cockpit Rule) になります。
ステイラルコックピットルールとは、航空機の運航において、重要な飛行段階中には操縦士が運航に関係のない会話や作業を行わないようにするルールです。
主にアメリカのFAA(連邦航空局)が定め、離着陸や低高度飛行などのクリティカルフェーズでの事故防止を目的としています。
ステイラルオペレーション適用範囲 | 概要 |
飛行高度30m未満の段階 | ドローンの運航中において、対地高度30m未満の場合にこのルールが適用される。 この高度は地上に近い状況を想定しており、特に衝突や障害物回避などのリスクが高まる場面と考えられる。 |
ビフォーテイクオフ・離陸・着陸・最終アプローチの段階 | ドローンが離陸前や最終アプローチ、そして着陸時に適用される。 これらの運航フェーズは、特に操縦ミスや機材トラブルによる事故リスクが高いため、特別な運用ルールが必要とされるとの位置付け。 |
運行中の緊急事態 | 運航中に緊急事態が発生した場合、例えばシステム生涯や天候の急変、人為的ミスなどが挙げられる。 |