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「自分が基準」だったあの頃から、ノンテクニカルスキルで組織が育つまで

※この記事は、創業者自身の体験をもとにしたパーソナルストーリーです。組織としてノンテクニカルスキル(NTS)をどのように導入したかではなく、「なぜ必要だと実感したのか」にフォーカスしています。

はじまりは“ひとりよがり”の現場

今でこそチームで支え合うオペレーションが当たり前になった当社ですが、スタートは本当に“ひとりよがり”なものでした。
ドローン事業を始めた当初、すべての基準は「自分」でした。自分が正しいと思うこと、自分のやり方、自分の判断。それが全てでした。

ルールなき運営と、その限界

当時は、マニュアルもなければ、ルールもない。業務の流れも口頭ベースで、その日その時の状況で判断するような毎日。記録を残す文化もなければ、誰かに引き継ぐ意識もありませんでした。(今思うと、本当にひどい)

そんな中で少しずつ仕事が増え、従業員を雇ってみたものの、うまくいきませんでした。

理由は明白です。属人化しすぎていたから。何も体系化されておらず、「社長の頭の中にしか正解がない」状況では、どんなに意欲的な人が入っても、長くは続かないのです。

当然、ミスが起きても「なんでこんなことがわからないんだ?」と苛立つばかりで、組織として成長する土壌がありませんでした。

ノンテクニカルスキルとの出会いが転機に

そんな当社が変わるきっかけとなったのが、ノンテクニカルスキル(NTS)との出会いでした。

最初は「操縦技術があれば十分」「現場は経験で乗り切るもの」と思っていた私が、“チームで動く”という当たり前の難しさを学びました。

  • 自分の考えを言語化する
  • 判断基準を明文化する
  • 役割を定めて責任を共有する
  • トラブルを個人の責任にせず、仕組みの改善に繋げる

これらはすべて、ノンテクニカルスキルで学んだこと。

いま振り返ると、NTSの導入によって「自分が正しい」から「チームが機能する」へと、経営の軸が大きくシフトしたのだと思います。

即効性はなくても、確実に変わる

もちろん、ここまで来るのに即効性のある変化はありませんでした。ですが、ノンテクニカルスキルの真価は“続けた人だけが実感できる”という点にあります。
最初は気休めにしか思えなかった小さな仕組みや習慣も、積み重なることで確実に組織の力になっていきます。

「一人で始めた。でも、一人では続けられなかった」

「ドローンは一人で始めた。でも、続けていくには一人では無理だった。」

この言葉に尽きます。

ノンテクニカルスキルは、“できる人”がより効率よく働くためのものではありません。

“チームで成果を出す”ために、全員が一定の共通意識を持つために、必要不可欠な土台です。

この文章が、かつての私と同じように悩む誰かの背中を、ほんの少しでも押せたなら幸いです。

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