ノンテクニカルスキル(NTS)の重要性を長年発信していますが、「実際に導入すると何がどう変わるのか?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。当社自身も、約6〜7年前まではNTSなんて知りもしませんでしたが、NTSのおかげで現在ではオペレーションが完全に別次元に進化しました。その実際の変化をお伝えします。
導入前のオペレーション(6〜7年前まで)
約6〜7年前までの私たちのドローンオペレーションは、技術力や個人の経験値に大きく依存したものでした。
当時の現場には、次のような課題が日常的にありました。
- チーム内のコミュニケーション不足によるヒューマンエラーの多発
- 業務範囲や役割分担が曖昧で、「誰かがやるだろう」といった責任意識の低さ
- 「指示待ち」や「自分の仕事だけやる」意識が蔓延し、チームワークが成立しない
- トラブル発生時には責任追及に終始し、再発防止策の策定や具体的な改善には至らない
これらが重なり、現場の安全や業務効率、ひいてはお客様からの信頼性にも影響を及ぼすことがありました。
ノンテクニカルスキル導入後(現在)
現在、私たちの現場は、NTSを軸にしたおかげで明確な変化を遂げています。
具体的な改善点を挙げると以下の通りです。
- コミュニケーションの飛躍的改善
- フライト前後のブリーフィング・デブリーフィングが習慣化し、現場の情報共有が劇的に向上しました。
- 役割と責任の明確化
- CRM(Crew Resource Management)やSMS(Safety Management System)をベースに役割分担を明文化し、誰が何を担当するのかが全員に浸透。責任を明確化することで、自主的な行動を促しています。
- 安全文化の醸成
- 「誰か一人の責任ではない」という考えが組織文化として定着し、トラブル発生時は個人の責任追及ではなく、「何が起きたか」「どう再発を防ぐか」という建設的なアプローチが標準となっています。
- 顧客・取引先からの評価の向上
- トラブルが減少したことで、顧客や取引先からの信頼が格段に高まり、継続的な取引につながっています。
継続することで、確実に効果が出る
NTS導入によるオペレーションの改善は、一日や数日といった短期間で劇的な効果が現れるものではありません。
しかし私たちはNTSを継続的に運用することで、徐々に確実な効果を実感してきました。そして、その進化は現在も続いています。
「導入は早ければ早いほど効果的」
私たちがNTSを導入した当初、正直なところ半信半疑でした。しかし実際に運用し始めると、チーム全体が変わっていく様子を目の当たりにしました。
ノンテクニカルスキルは「操縦技術以外のすべてのスキル」であり、これを軽視すること、後回しにすることはオペレーション全体の品質を低下させます。逆に言えば、NTSをしっかり取り入れることでチームはより強固になり、現場は安全に運航され、事業そのものが成長します。
もしこの記事を読んで「自社も本腰を入れてNTS導入を進めよう」と感じていただけたら幸いです。
ぜひ、あなたのチームを次のレベルへと押し上げる一歩を踏み出してみてください。