ドローンの操縦技術に自信の無かった私が、なぜノンテクニカルスキル(NTS)の推進に情熱を注ぐようになったのか。
ドローン産業界には今でも「何かトラブルがあればすべて操縦者の責任」という古い考え方が根強くあります。航空法で操縦者に一方的な責任を押し付けている現状も大きな要因ですが、自律飛行が当たり前になる未来を考えれば、いつまでも操縦者だけに責任を押し付ける理不尽さは到底受け入れられるものではないでしょう。「こんな時代錯誤な状況を変えなければ」との強い憤りこそが、私をNTSの世界へ駆り立てました。
そこから私は、チームビルディングやCRM(Crew Resource Management)の講習を徹底的に受講しました。
学んだことを自社のドローンオペレーションに実践してみたところ、「個人の責任追及」から「チームとして役割分担を明確にし、互いにカバーし合う」方式への転換に成功しました。
この瞬間、「これこそが業界に足りなかったことだ!」と確信を深め、以後ますますNTSの追求に没頭しています。
私は、「自分自身が実際に触れてみて納得した、本当に価値あるもの」だけを扱うことをポリシーとしています。世間一般の需要に合っているかどうかなど、正直どうでもいいです。(ビジネス的にはダメですが…)でも、現在提供しているNTS関連の講習は、間違いなくこれからのドローン産業界には必須の要素になると断言しておきます。
猫も杓子もDJI製ドローンを使い、機体性能による差別化がほぼ不可能になった現状では、NTSという「人とチームの能力」による安全こそが差別化の最後の切り札です。このことに気づかず、機体の性能を実力と勘違いしているサービサーはやがて淘汰されていくと思います。
「ドローンの価値は機体ではなく、操縦する人間とそれを支えるチームにこそある」
この信念を、私はNTSを通じてこれからも積極的に推進していきます。