〜 機体性能だけではなく、運航全体のリスクを評価する時代へ 〜
1.「リスク評価」はドローン運航の新しい常識
これまでドローン運航では、機体の性能や操縦技術が安全管理の中心と考えられていました。
しかし現在の国際的な動向を見ると、「運航リスク全体を評価し、安全対策を取ること」が重要視されるようになっています。
この新しい考え方を体系化したものがSORA(Specific Operations Risk Assessment)です。
SORAの導入により、「安全運航」とは単に性能の高い機体を飛ばすことではなく、適切なリスク評価と管理を行うことであると定義されるようになりました。
ダイヤサービスではこのSORAの概念をいち早く取り入れ、「D-LOSA(ドローン運航評価サービス)」を通じて、SORAのフレームワークを反映した評価を実施しています。
2. SORAとは? 〜 3つの要素で運航リスクを評価〜
SORAは、ドローン運航のリスクを3つの主要な要素で評価するフレームワークです。
これにより、運航ごとに適切な安全対策を講じることができます。
① GRC(Ground Risk Class:地上リスククラス)
「ドローンが墜落した場合、地上の人々にどれだけ影響があるか?」を評価します。
・飛行エリアに人が多いほどリスクは高い
・高高度からの墜落や、大型ドローンはリスクが増大
・人がいないエリアならリスクは低くなる
→ 都市部の上空で飛ばす場合、GRCが高くなるため、より厳しい安全対策が求められる
② ARC(Air Risk Class:空中リスククラス)
「他の航空機と衝突するリスクがどの程度あるか?」を評価します。
・飛行エリアの空域状況(有人機が飛ぶ空域かどうか)
・目視外飛行(BVLOS)かどうか
・既存の航空ルールに適合しているか
→ 飛行エリアが有人機の通るルートに近い場合、ARCが高くなり、衝突防止の対策が必要
③ SAIL(Specific Assurance and Integrity Level:安全対策レベル)
「どの程度の安全対策が必要か?」を決定する指標です。
・GRCとARCの数値をもとに、どのレベルの安全管理が求められるかを算出
・SAILが高いほど、リスク低減策やパイロットの資格要件が厳しくなる
→ GRCとARCを考慮した結果、運航にどの程度の安全対策が必要かが決定される
3. SORAがもたらす3つのメリット
① 適切なリスク評価が可能になり、運航許可の取得が容易に
✅ 事前にリスク評価を行うことで、根拠のある安全対策を提示できる
✅ 高リスクな運航でも適切な安全策があれば許可が下りやすくなる
② 不要な制限を減らし、運航の自由度を高める
✅ 従来は「とにかく規制を厳しくしてリスクを抑える」傾向があった
✅ SORAを導入することで、「リスクが低い運航なら、規制も緩和される」流れに変わる
✅ 低リスクの運航なら、より自由に飛ばせる可能性がある
③ 事業の競争力向上 – SORAの知識がある運航者は優遇される
✅ 今後のドローンサービス業界では、SORAに基づいた運航計画を作れることが必須スキルになる
✅ SORAを理解し、適切なリスク管理ができる事業者は、競争優位に立てる
4. ダイヤサービスの取り組み
ダイヤサービスでは、SORAの考え方をいち早く取り入れ、かつ「D-LOSA(ドローン運航評価サービス)」にも組み込んでいます。
D-LOSAの特徴
- SORAのフレームワークをも活用し、運航リスクを評価
- 操縦技術だけでなく、運航管理全体をスコア化
- 「安全に運航できる組織かどうか」を客観的に評価できる
D-LOSAは従来の「技術評価」だけではなく、「運航リスク評価」を含めた業界最先端のサービスです。
これにより、事業者は安全性を担保しながら、運航の最適化と規制対応をスムーズに進めることが可能になります。
5. SORAの導入が競争優位につながる
まとめです。
- SORAは、単に「機体が安全かどうか」ではなく、「どのように安全に運航するか」を評価するフレームワーク
- 適切なリスク評価を行うことで、規制対応がスムーズになり、事業の競争力が向上する
- ダイヤサービスのD-LOSAでは、SORAを組み込んだ評価を実施し、より高度な安全運航を支援
「リスクを適切に評価し、安全に運航できること」こそが、今後のドローンサービス業界での成功の鍵です。
この流れをいち早く取り入れることで、競争優位に立ちましょう!
次回は「SMSとは?ドローン運航における安全管理システムの重要性」について詳しく解説したいと思います!!